ゴードン R . マッキナリー
2023-2024年度 国際ロータリー会長


ロータリー平和フェローのように考える

 平和への道は数多くあります。ロータリーには幸い、この真実を何度も身をもって示しているロータリー平和フェローがいます。

 ロータリーは毎年、世界中のリーダーが平和と開発を学ぶために最大130口のフェローシップを授与しています。平和フェローは、紛争の予防と解決に取り組み、積極的平和を促進するために学び、その準備を整えます。平和フェローによる平和推進の創造的な取り組みの例をご紹介します:

 持続可能性を高める

 アレハンドラ・ルエダ・ザラテさんは、平和と紛争解決のためのロータリー平和フェローシップと、修士号を持つエネルギー・資源の分野の知識を組み合わせて、コロンビアの田園地方を守るという夢を叶えるために活動しています。

 ザラテさんは、2011年にNES Naturalezaという団体を設立し、コロンビアや中南米の地方農家が持続可能な農業を行っていくための知識と研修を提供しています。この支援により、約4,500人の農家の生活が改善され、起業家になるインスピレーションが与えられました。また、中南米全域で自然と社会の持続可能性を推進する一助となりました。

 人種差別をなくす

 平和フェローのジョフリー・ディーゼルさんとキャシー・ドハーティーさんは、フェローシップで培った平和と開発の知識を生かし、Racial Equity Projectを共同創設しました。これは、反人種差別の活動を通じてより平和な社会をつくる方法について研究する北米のロータリー積極的平和アクティベーターから成る小委員会です。

 このプロジェクトは、積極的平和の八つの要素が人種差別への取り組みをどのように支援できるかを深く掘り下げ、このメッセージを北米の地域社会に広める活動を行っています。もともと、経済平和研究所とのロータリーの戦略的パートナーシップから生まれたこのグローバルなシンクタンクは、積極的平和の推進を目指しています。

 データを活用した災害対策

 ジェイミー・ルスーアさんは、ロータリー平和フェローシップを通じて平和・紛争研究における社会科学の修士号を取得しました。現在、国際赤十字・赤新月社連盟の緊急時対応を指揮し、緊急時における組織間の協力のための管理運営の枠組みを設定しています。

 ルスーアさんは、複雑な災害対応に冷静さをもたらすための強力な手段は、研究データであると考えました。組織のプロトコルがどのようなものであっても、研究を意思決定の基盤とすることは、最も複雑な緊急事態でも明確な方向性を導くことにつながります。

 これらのストーリー(ほかにも何百とあります)は、平和な世界を築くことのできる次世代のリーダーをロータリーがいかに育成しているかを示すものです。これまでに約1,800人の平和フェローがロータリー平和センターを卒業し、学んだことを生かして140カ国以上で活躍しています。

 平和フェローと彼らを支えるロータリー会員の継続した活動からインスピレーションを受け、皆さまが今後も奉仕、ファンドレイジング、クリエイティブな思考を通じて「世界に希望をもたらしていく」ことができますように。


(RI指定記事  提供 : ロータリーの友 )
2024/03/01