ゴードン R . マッキナリー
2023-2024年度 国際ロータリー会長


クラブでメンタルヘルスに取り組もう

 ロータリー会員の皆さま

 10 月 10 日は世界保健機関(WHO)が定めた世界メンタルヘルスデーです。今年度はメンタルヘルスを大きく取り上げていますので、世界中のクラブを訪れる際、一番よく聞かれる質問に、ここでお答えしましょう。「どうすればうちのクラブもメンタルヘルスに関する活動に取り組めるでしょうか?」という質問です。 

 すでに行動を起こしているロータリー会員の素晴らしい前例を幾つかご紹介します。フィリピンでは、基本的な健康診断と健康的な生活についてのコーチングを推進するために、ティアオン・ヒヤス・ロータリークラブ(RC)が、地域社会の母親向けに 12 週間の保健にまつわるプロジェクトを実施しました。

 プロジェクト終了時、参加者たちの間には特別な絆が築かれ、ロータリー地域社会共同隊(RCC)の結成が決まっていました。その目的は、より多くの母親を保健教育とウェルネスサポートに関与させること、さらには 10 代の妊娠予防など若者の支援、健康を害する薬物使用者への支援です。発足からほぼ 1 年たった今、母親たちが仲間同士でサポートし合える独自の保健センターを開設する準備をしています。

 もう一つの例がアメリカ・コロラド州のクラブです。2021 年秋、ハイランド・ランチRCの会員が、小児のメンタルヘルスに重点を置いたクラブを創立しました。この新クラブのおかげで、コロラド小児病院は児童青年精神科医の募集に力を入れることができ、研修強化も可能に。これにより、より多くの子どもたちがメンタルヘルスケアを受けられるようになり、医療従事者の不足が解消されます。

 創立以来、新しい支援者を集めてきた同クラブは、今では基金を設立し、50 万ドルという十分な資金を得ています。この基を利用して資産形成も試み、得られた利益は、小児病院の心理学者または精神科医のフェローの支援に充てられます。24 年春からは、1 ~ 2 年ごとに新しい研究員が任命されることになります。ゆくゆくは、この基金で育成った専門家たちがメンタルヘルスケアを支える大きな力となり、コロラド州の全体、さらには近隣の州の子どもたちにメンタルヘルスケアを提供していくことでしょう。

 ロータリーショーケースには、他にも数多くの素晴らしいメンタルヘルスプロジェクトの実例を掲載しています。自分たちのプロジェクトを開始したら、ぜひその経験をお知らせください。また、ロータリーファミリーと共有したいメンタルヘルスに関する意見やアイデアがありましたら、mindhealth@rotary.org までご連絡ください。

 私は 10 月 10 日に世界メンタルヘルスデーを記念して、フェイスブックのライブイベントを主催し、メンタルヘルスへの活動の着手方法について模索します。それに先立って、全てのロータリー会員が変化をもたらせる方法を一つ、ここでお伝えしましょう。

 今この時も、所属するクラブやこれまで参加したプロジェクトの関係者、ロータリー親睦活動グループ、またはロータリー行動グループなどに、皆さんのちょっとした力を必要としている人がいます。ロータリーでは地球規模の交流という貴重な体験ができますが、それはつまりお互いを助け合えるということでもあります。

 人々が結び付く手段をみつけることは、ロータリーでよくあること。ロータリーが常に目指してきたことであり、お互いに助け合って幸せな人生を築くことで、人生をさらに発展させていけるのです。

 ただ「お元気ですか」と声をかけるだけではなく、「本当に元気なのかどうか」を尋ねる方法を、私たちは学ぶ必要があります。そうすることで、ロータリーは今後も引き続き、世界に希望を生み出すことができるのです。


(RI指定記事  提供 : ロータリーの友 )
2023/10/01